「最近、肋骨が前に出ている気がする」
「お腹をへこませても、肋骨だけが出っ張って見える」
「姿勢を良くしようとすると、胸を張りすぎてしまう」
このようなお悩みはありませんか?
下の方の肋骨が左右に開いたり、前に出て見えたりする状態は、一般に「リブフレア」と呼ばれることがあります。
見た目の問題だけと思われがちですが、胸郭の動きや呼吸の仕方と関係している場合があります。
今回は、なぜ下部肋骨が前に出て見えるのか、呼吸や首・肩との関係、改善するための考え方について分かりやすく解説します。
目次
下部肋骨が前に出て見える「リブフレア」とは?
リブフレアは、簡単にいうと「下の肋骨が外側や前方に開いて見える状態」です。
特に、
・胸を張る癖がある
・腰が反りやすい
・お腹に力を入れるのが苦手
・呼吸すると胸ばかり動く
・下腹部が前に出やすい
といった方に見られることがあります。
ただし、下部肋骨が前に出ている人すべてが「リブフレア」というわけではありません。
生まれつきの胸郭の形や、成長による骨格の変化、背骨の姿勢などが関係していることもあります。
そのため、見た目だけで「ここが悪い」と決めつけることはできません。
肋骨が前に出ると、なぜ呼吸と関係するの?
肋骨は、ただ身体を守っている骨ではありません。
呼吸するときには、肋骨も動きます。
息を吸うと、
横隔膜が下がる
↓
肋骨が広がる
↓
胸郭が大きくなる
↓
肺に空気が入りやすくなる
という動きが起こります。
ところが、最初から下部肋骨が大きく開いた状態になっていると、胸郭が「すでに広がっている状態」から呼吸を始めることになります。
すると、人によっては下部肋骨を広げる呼吸よりも、胸の上の方を持ち上げるような呼吸になってしまうことがあります。
その結果、呼吸のたびに首や肩周辺の筋肉を使いやすくなる場合があります。
「胸を張ること」が良い姿勢とは限りません
姿勢を良くしようとして、
「胸を張って!」
と言われた経験はありませんか?
実は、胸を張りすぎると肋骨が前に飛び出してしまうことがあります。
特に、
骨盤が前に傾く
↓
腰が反る
↓
胸郭も前に傾く
↓
下部肋骨が前に出る
という姿勢になっているケースがあります。
この場合、単純に「背筋を伸ばしましょう」と指導するだけでは改善しにくいことがあります。
大切なのは、胸を張ることではなく、
「肋骨と骨盤が無理のない位置にある状態で呼吸できること」
です。
肋骨が前に出ていても、改善できる場合があります
ここは大切なポイントです。
肋骨が前に出ているからといって、必ずしも骨そのものが変形しているとは限りません。
生まれつきの骨格や成長による胸郭の形など、運動だけでは大きく変えにくい部分もあります。
一方で、
・姿勢
・呼吸の癖
・腹部の使い方
・胸郭の動かし方
・背骨の動き
などによって、肋骨の「見え方」や「動き方」が変わることがあります。
例えば、息をゆっくり吐いたときに下部肋骨が自然に下がる人は、胸郭を動かす力が残っている可能性があります。
反対に、息を吐いても肋骨がほとんど動かない場合は、胸郭の硬さや姿勢などを一度確認してみる価値があります。
自宅でできる簡単なチェック
仰向けに寝て、両膝を立てます。
その状態でゆっくり息を吐いてみてください。
「フーッ」と細く長く吐きながら、下部肋骨が少し下がってくるか確認します。
その後、肋骨を無理に持ち上げず、鼻からゆっくり息を吸います。
このとき、
・首に力が入る
・肩が大きく上がる
・胸だけが膨らむ
・下部肋骨がほとんど動かない
という場合は、呼吸の使い方を見直すきっかけになります。
ただし、これはあくまで簡単なセルフチェックです。
肋骨の形だけを見て、自分で原因を判断する必要はありません。
リブフレアには「肋骨を押し込む」より呼吸を見直す
リブフレアが気になると、
「肋骨を内側に押し込めばいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、強く押さえつけるだけでは、自然な呼吸がしにくくなることがあります。
大切なのは、
「肋骨を無理やり閉じる」
ことではなく、
「息を吐いたときに肋骨が自然に戻り、その状態からまた息を吸える」
身体を作ることです。
そのためには、
・ゆっくり息を吐く
・お腹を適度に使う
・胸郭を動かす
・背骨を動かす
・骨盤と肋骨の位置を整える
といった運動を組み合わせます。
肋骨が前に出ている人は首・肩にも関係する?
関係する場合があります。
呼吸のときに胸の上部ばかりを使っていると、首や肩周辺の筋肉が呼吸を手伝うことがあります。
そのため、
肋骨・胸郭の動きが悪い
↓
呼吸の仕方が変わる
↓
首や肩周辺の筋肉を使いやすくなる
↓
首・肩の負担につながる
ということは考えられます。
ただし、首肩こりの原因がすべて肋骨にあるわけではありません。
仕事中の姿勢、運動不足、睡眠、ストレス、肩関節や背骨の動きなど、さまざまな要素が関係します。
「肋骨が出ているから肩こりになっている」と決めつけるのではなく、身体全体を確認することが大切です。
高齢になると胸の形が変わって見えることもあります
年齢を重ねると、背中が丸くなったり、胸郭が硬くなったりすることで、胸の形そのものが変わって見えることがあります。
特に、
「剣状突起が以前より上に出てきたように見える」
というケースもあります。
ただし、これは若い方のリブフレアと同じ原因とは限りません。
背骨の変化、肋骨の動き、胸郭の硬さなど、複数の要素を確認する必要があります。
また、胸の形が急に変化した場合や、胸痛・息苦しさなどを伴う場合は、整体や運動だけで判断せず、医療機関で確認することをおすすめします。
肋骨の形だけでなく「動き」を見てみましょう
肋骨が前に出ていること自体が悪いわけではありません。
人によって骨格は違います。
重要なのは、
「その肋骨がきちんと動くか」
です。
息を吐くと下部肋骨が少し下がる。
息を吸うと胸郭が広がる。
首や肩に余計な力を入れずに呼吸できる。
このような状態を目指していくことで、姿勢だけでなく、身体の動かしやすさにも変化が出ることがあります。
当院では、肋骨だけを見るのではなく、骨盤・背骨・肩甲骨・呼吸などを合わせて身体の状態を確認しています。
「肋骨が前に出ているのが気になる」
「胸を張ると腰が反ってしまう」
「呼吸すると肩が上がる」
「姿勢を良くしたいけれど、どうすればいいか分からない」
という方は、一度ご自身の身体の動きを確認してみてください。
見た目だけでは分からない「動きのクセ」が、身体の使い方を変えるヒントになるかもしれません。


