「寒くなると体が冷える」「寝つきが悪くなる」「なんとなく疲れが抜けない」
そんな不調、実は“同じ根っこ”を持っています。
キーワードは「交感神経」。
これは自律神経のひとつで、昼間や活動時に働く“アクセル神経”のような存在です。
一方で、休息時や睡眠時に働くのが“ブレーキ役”の副交感神経。
この2つがバランスを取ってこそ、体温・睡眠・回復力が保たれます。
しかし、現代人はストレス・寒暖差・姿勢の崩れなどにより、
この「交感神経」が常に優位になりやすいのです。
目次
冬に交感神経が暴走しやすい理由
冬は、体にとって“自律神経が乱れやすい季節”。
その原因は3つあります。
1️⃣ 寒さによる血管収縮
寒さを感じると、体は熱を逃がさないように血管をキュッと縮めます。
これは交感神経の働きによるもの。冷えが長く続くと交感神経が過剰に反応し、
常に“緊張モード”のままになってしまいます。
2️⃣ 日照時間の減少による体内リズムの乱れ
光を浴びる時間が短くなると、体内時計の調整ホルモン「セロトニン」「メラトニン」の分泌が乱れます。
結果、昼に眠くなり、夜は眠れない――そんな“逆転状態”が起こりやすくなります。
3️⃣ 首肩の筋緊張が神経を刺激する
寒さで肩をすくめる姿勢が続くと、首筋にある「頸部交感神経節」を刺激し、
さらに交感神経を興奮させます。これが“肩こりと不眠がセット”で起きる理由です。
冷え・不眠・倦怠感が起きるメカニズム
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冷え:交感神経の働きすぎで血管が常に収縮 → 末端の血流が滞る
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不眠:夜になっても副交感神経が働かず、脳が“戦闘モード”のまま
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倦怠感:常に緊張状態のため、筋肉も神経もエネルギーを消耗
つまり「頑張り続ける神経」が体を休ませてくれない状態。
これは“オーバーワークしている神経”そのものなのです。
生活習慣だけでは整わない理由
「ストレッチや半身浴をしても冷えが取れない」「寝てもスッキリしない」
そんな人は、姿勢と呼吸の乱れが根本にあります。
呼吸が浅くなると横隔膜が硬くなり、胸郭の動きが制限されます。
すると副交感神経が優位になりづらく、“休む神経スイッチ”が入らなくなるのです。
さらに、猫背や巻き肩などの姿勢の崩れは、首・肩の筋緊張を強め、
頸部の交感神経を直接刺激します。
このように「筋肉・姿勢・呼吸」と「自律神経」は密接に連動しています。
交感神経の暴走を鎮めるための整体アプローチ
整体の現場では、次のような順序で“神経のリセット”を行います。
1️⃣ 横隔膜と胸郭のリリース
呼吸を深め、副交感神経のスイッチを入れる第一歩。
2️⃣ 首~背中の緊張を緩める
特に胸鎖乳突筋・斜角筋・僧帽筋上部は神経反射に直結。
3️⃣ 骨盤と背骨の連動を整える
姿勢バランスを回復させ、体幹の自律神経反射を安定化。
施術後は「体がポカポカする」「息が通るようになる」「夜ぐっすり眠れた」という声が多いのは、
単なる筋緊張緩和ではなく、神経スイッチが整うからです。
自宅でできるセルフケア3選
1️⃣ 朝:胸を開く深呼吸
寒い朝こそ、両手をバンザイして胸を広げながら5秒吸う・5秒吐く。
2️⃣ 首すじを温める&軽く回す
頸部を温めることで神経節の過剰興奮を抑制。
3️⃣ 夜:暗さでリズムを整える
寝る1時間前に照明を落とし、スマホを見ない。メラトニン分泌が促され眠りの準備が始まります。
まとめ:不調の原因を「神経の使いすぎ」と考えてみる
冷え・不眠・倦怠感――。
これらは「体が弱っている」サインではなく、
「神経が頑張りすぎている」サインです。
大切なのは「緩める・温める・呼吸する」。
そして、姿勢と筋のバランスを整えて、
“交感神経の暴走”を鎮める体づくりを意識すること。
それが、冬を快適に乗り切る一番の近道です。
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