冬になると、夜中に何度もトイレに起きてしまう。そんな悩みを持つ方は少なくありません。
「年齢のせい？」
「水分の取りすぎ？」
実は、これらが原因ではないケースがかなり多いのです。冬に増える夜間頻尿には、自律神経の働きと冷えによる血流変化が大きく関わっています。
そしてもう一つ。
姿勢や骨盤の傾きなど、身体のクセが影響していることもよくあります。
ここでは、夜間トイレが増える理由をできるだけ分かりやすくまとめ、今日からできる対策まで紹介します。
目次
なぜ冬は夜間トイレが増えるのか
冬になると、体は寒さから身を守るために血管をキュッと縮めます。これにより、手足の血流が低下し、体幹側へ血液が集まります。
体幹側に血流が集まると、腎臓は「体液量が増えている」と判断し、余分な水分を排泄しようとします。その結果、夜間に尿を多く作りやすい状態が生まれます。
つまり、
・手足の冷え
・体幹に血流が偏る
・尿量が増える
この流れが冬の夜間頻尿につながります。
●自律神経が膀胱に与える影響
冬は交感神経が優位になりやすい季節です。寒いと体は緊張し、それだけで交感神経がオンになります。
交感神経が過剰に働くと、
・血管が収縮
・筋肉がこわばる
・呼吸が浅くなる
といった状態が起きます。
膀胱も例外ではありません。
緊張すると膀胱の感覚が敏感になり、本来なら我慢できる量でも尿意として感じやすくなることがあります。
また交感神経が優位だと睡眠も浅くなり、ちょっとした尿意でも目が覚めてしまいます。
●足先の冷えと夜間頻尿の関係
足先が冷えると起こるのは、単なる不快感ではありません。
●末端の血管が縮む
●血液が体幹（内臓側）に集まる
●腎臓が「水分を排出しなきゃ」と働く
→ 夜間の尿量増加につながる
特に、
・足首が硬い
・ふくらはぎが張りやすい
・股関節が動きにくい
こういった身体の特徴がある人は、足の血行がさらに悪くなりやすい傾向があります。
冷え性の人ほど夜間トイレが増えやすいのは、この仕組みが理由です。
●姿勢の問題が夜間トイレを増やすことも
意外に思われますが、姿勢のクセも影響します。
特に多いのは、
・猫背
・反り腰
・骨盤後傾
これらの姿勢です。
姿勢が崩れると、
●横隔膜が硬くなる
●呼吸が浅くなる
●自律神経のバランスが乱れる
●骨盤底筋の働きが低下する
といった連鎖が起こります。
骨盤底筋が弱ると膀胱の支えが減り、尿意を感じやすくなります。寝ている時でも「下から支えられない感じ」が起きやすく、少量の尿でも刺激になりやすいのです。
特に女性やデスクワークの人は、このパターンが非常に多いです。
●「水分を減らせばいい」は間違い
夜間トイレが増えた人の多くが、
「水分を控えればいいのでは？」
と考えます。
ところが実際には、水分を減らしても改善しないケースが大多数です。
むしろ、
●水分不足 → 血液が濃くなる
●交感神経がさらに優位になる
●筋肉が硬くなり冷えやすくなる
という悪循環に入ってしまうこともあります。
冬の頻尿は「水分の問題」ではなく、
“体が緊張しやすい冬の環境そのもの”が原因であるケースが多いのです。
●病院を受診するべきケース
整体で改善できるケースは多いですが、以下の症状がある場合は医療機関受診を優先してください。
●排尿時の痛み
●急激な発熱
●血尿
●尿が出にくい
●短期間で頻尿が急激に悪化した
感染症や前立腺の問題など、別の要因が隠れていることがあります。
●今日からできる自律神経ケア
① 寝る前の深い呼吸
胸ではなく“みぞおち〜お腹”が動く呼吸を意識します。
目安はゆっくり5回。
横隔膜が緩むと副交感神経が働き、膀胱の緊張も落ち着きます。
② 足首ゆらし（30秒）
足首を脱力して前後に揺らすだけ。
ふくらはぎの血流が改善します。
③ 骨盤ゆらし（30秒）
仰向けで膝を立て、骨盤を左右にゆらゆら。
腰回りがほぐれ、呼吸が深くなります。
④ ふくらはぎポンプ（20回）
つま先を上下に動かすだけで、足先の血流が大きく変わります。
●冬の夜間トイレを防ぐまとめ
冬の夜間トイレは、
●自律神経
●血流
●冷え
●姿勢・呼吸
これらが重なって起きるケースがほとんどです。
「加齢だから仕方ない」と諦める必要はありません。
身体の緊張をとり、自律神経が整ってくると夜間のトイレ回数は自然と落ち着いていきます。
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