「しっかり寝てるのに回復しない」
「季節の変わり目で頭が重い」
「疲れてないのに休みたい」
——こんな不調を“肩こり”や“ストレス”で片付けてしまう人は多い。
でも実は、この背景にあるのが 自律神経の乱れ だ。
そしてもうひとつ。
自律神経の不調は、揉むだけでは元に戻らない。
むしろ、表の筋肉ではなく“内側ルート”へアプローチしないと改善が長続きしないケースが多い。
本記事では、整体でどんなルートで整えていくのかを、
臨床のリアル視点でわかりやすく解説していく。
目次
◆ 自律神経が乱れる本当の理由
自律神経は 「姿勢」「呼吸」「気圧」 の影響を強く受ける。
● 姿勢
猫背・巻き肩・肩が上がる姿勢は、
胸郭が固まり、呼吸が浅くなる。
浅い呼吸は交感神経を常にONにしてしまう。
● 呼吸
疲れている人ほど、横隔膜がうまく使えず胸だけで息をする。
これも「緊張モード」が続く原因。
● 気圧
低気圧は迷走神経に影響しやすく、
頭重やめまいを引き起こしやすい。
つまり、
自律神経の乱れ=筋肉を揉むだけでは絶対に届かない部分が根本にある。
◆ 揉んでも戻ってしまう理由:交感神経ONの“残り火”
マッサージで筋肉がゆるんでも、
自律神経が「緊張モード」のままだと、体はすぐ元の状態に戻る。
これは例えるなら、
火を消したつもりでも、炭に火が残っている状態。
見た目は落ち着いて見えるけど、
少しの刺激でまた熱を持つ。
自律神経の不調もこれと同じで、
残った火を消すためには “内側ルート”へのアプローチが必要になる。
◆ 整体で整える“内側ルート”とは何か
整体が見ているのは、筋肉の表面ではなく——
胸郭の動き・横隔膜・首の自律神経に関わるライン。
● ① 胸郭の可動性
胸が固いと呼吸が浅くなる。
ここを開くと、酸素の取り込みが改善して副交感神経が働きやすくなる。
● ② 横隔膜
自律神経に直結するパーツ。
ここが動いてない人は本当に多い。
緩めて“腹式のスイッチ”を入れると、睡眠が深まりやすい。
● ③ 首(特に後頭下筋群)
深部に自律神経のポイントがあり、
ここが硬いと頭痛・めまい・不安感につながりやすい。
この三つを整えてはじめて、
体が「休んでいいよ」と感じるモードに切り替わる。
◆ 改善例:季節の変わり目で頭重感・不眠の人
30代・デスクワーク中心。
頭重・眠りが浅い・朝の倦怠感に悩んでいた。
1回目:胸郭と横隔膜の調整 → 呼吸が深くなる
2回目:首まわりの“自律神経ポイント”を緩める
3〜4回目:眠りが深くなり、頭重もほぼ消失
仕上げにセルフケアを追加
改善の決め手は、
筋肉ではなく、呼吸と胸郭の再教育。
◆ 家でできる自律神経のセルフケア
● 5秒吸って、10秒吐く(寝る前に5回)
● みぞおちの左右を軽く押しながら深呼吸
● 背中を丸めず、軽く肩を後ろに引くだけの姿勢リセット
どれも「横隔膜」を動かすための準備運動になる。
◆ 来院のタイミングの目安
-
朝起きても疲労感が残る
-
季節の変わり目で頭が重い
-
呼吸が浅い・胸がつまる感覚
-
夜に脳が休まらない感じがある
これらが2週間続くようなら、
自律神経の“内側ルート”に問題がある可能性が高い。
整体は、ここに直接アプローチできる数少ない方法となる。



